ダム建設の是非で知っておきたい推進派、反対派の意見

ダム建設の是非で知っておきたい推進派、反対派の意見

治水・利水・水力発電など、ダムは人間にとって大切な役割をもつ建物です。しかし、ダム建設には反対派の人たちも多くいて、現在でも論争となっています。
ダム建設について推進派と反対派が争っているということは、一般の人でもよくニュースなどで耳にすることではないでしょうか?
今回は、度々対立が報じられるダム建設における推進派と反対派の意見をそれぞれ見ていきましょう。

日本の環境

日本の河川は、古来からから治水と利水が焦点となってきました。国土が狭くて河川の勾配が極端になっていて、雨は短い時間で海へと流れていきます。昔から水害が多く、雨が降らなければ水不足にもなるので、各地で水に関する争いが原因となった流血事件がたくさんありました。
こういった問題を解決するためにダムの建設が戦後から行われてきましたが、このようなダム建設には多くの見方があります。

ダム建設推進派の意見

まず、推進派の意見です。現在は地球温暖化が問題となっています。世界でも毎年豪雨や旱魃(かんばつ)がいろいろな場所で起こり、国際的にも水の危機が問題となっています。日本でも最近、新潟・福島・福井などで毎年のように水害が起こっています。
また、2005年には全国的な水不足となって給水制限が各地であり、降雨量が慢性的に不安定である四国では大問題となりました。
このような背景がある中で、治水の整備や水資源を確保することが非常に重要で、ダム建設は必要であるという意見があります。実際にダムの建設が中止となった那賀川水系で渇水が起こり、給水制限や100億円の経済損失が起こったり、前述の福井豪雨ではダムのある川とない川では被害が大きく違っていたりする事例があります。さらに地球温暖化で二酸化炭素を排出する化石燃料と比較して水力発電も再評価されています。
2011年に事故が起こった原子力発電も困難であり、風力・太陽光・地熱等の発電も実用化が難しいために水力発電が注目されています。また、現在日本にある多くの水力発電が目的のダムは毎年黒字となっていて、クリーンかつ経済的にも優良な発電です。

ダム建設反対派の意見

次に反対派の意見をみてみましょう。ダムを建設することによって周囲の自然に悪影響を与えるという意見が多くあります。ダムができることによって河川の生態系が断絶されて、生物の交流を妨げるという自然保護団体の意見があり、2003年には奈良県にある大滝ダムの地すべりがあって付近の住民は仮設住宅で住む生活をしました。
そして、ダムは堆砂(タイサ)という上流から流れ込んで貯水池の底に溜まる土砂があります。これがいずれ満杯になれば利水が機能しなくなるので、こういったダムはつくらないほうがよいという意見があります。
また、耕作面積が減少していても、農業用水の水利権が見直されていないという指摘があります。耕作面積が大きく減った現在でも河川の水利権は明治時代から見直されずに、既得権益として返上されないので不要なダム建設の計画も撤回されていないのです。

ダムの地元民の意見も、上流域と下流域で大きく違っています。下流の住民はダムの影響で水道料金が高くなり反対する人が多く、上流の住民は治水・利水面で推進している人が多くいます。
このことからも地元の住民の意見を集約することが難しくなっているという現状があります。
ダム建設の予定地で住民が反対表明をすると、国・県がいろいろな圧力をかけて、賛成派と反対派で地域が分断されることもあります。
最後にダム建設は巨大な公共事業で、国・自治体の財政を圧迫しますが、その国税・都県民税・水道料金を負担しているのが私たち国民ということもあります。
日本各地に、50年以上前に計画されたというダム建設事業が現在もあります。ダム事業者は、反対する住民との話し合い・資料提示要求にもよい対応をしていないという話もあります。

記事まとめ

ダム建設の推進派・反対派の意見をまとめてみました。現在でもダム建設に対しての論争が絶えないという理由も理解できたのではないでしょうか